上田市創業支援プラットフォーム

女性のための創業スクール 第1期・講義4[平日・週末コース]

レポート2017.09.15

テーマ:創業計画書の応用と資金調達
~融資を受けられる創業計画書の作り方、創業補助金の知識~

講師:上田商工会議所 中小企業相談所経営支援課 今井 裕さん(中小企業診断士)

日程:平日コース8月23日/週末コース9月2日

 

 

女性のための創業スクール4回目の講義は、1回目の講義で作成した「創業計画書」を、
より実践的にブラッシュアップ。自分の事業を「資金の流れ」から検討していきます。
講師は、中小企業診断士として長年個人事業主や中小企業の経営支援を行っている
今井 裕さん。経営や地域の活性化、仕事術の本も多数執筆されています。
また講義の後半では、上田市役所 商工観光課の方から、創業に関わる市・県の補助金
や融資制度について紹介していただきました。

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[講義の概要]
1.創業計画書の要・資金計画
2.収支計画で創業後の資金繰りを考える
3.創業に関わる補助金と制度融資

 

 

[1.創業計画書の要・資金計画]
1回目の講義では自分の思いやスキル、ビジネスアイデアを整理して「なんのために
創業するのか、どんな商品・サービスを提供するのか」を記入した創業計画書。今回は
計画書のもう一つの柱・資金計画を具体的に考えました。
創業に必要な資金は、事業を行う環境を整えるための「設備資金」と、開業し事業を
継続していくための「運転資金」に分けられます。

 

●設備資金…店舗や事務所の賃料、内装工事代、事業に必要な機材や備品、車両など
●運転資金…①開店時経費(初回の仕入れ代金、広告宣伝費、備品・消耗品、開業
初月の家賃や人件費など)②開店後の運転資金(3か月程度の仕入れ代金、家賃、人件
費など)

 

受講生はまず、自分の事業に必要な設備資金と運転資金を創業計画書に記入しました。
「起業に必要な資金の総額がわかったら、次は“どこからその資金を調達するのか”を
考えます」と今井さん。
起業に必要な資金の調達方法は、貯金などの自己資金、身内や友人から借りる、行政の
補助金や制度融資を利用する、銀行などの金融機関から借りる、などがあります。「行政や
金融機関などの第三者は、自己資金の額の多少を創業への本気度だと思っています。
理想は必要な資金の半分、大変でも4分の1~3分の1は自己資金で用意するのが望まし
いですね」と今井さん。
また創業計画書の資金計画は、必ず「必要な資金」と「調達できるお金」が同じ額になる
ように注意して、というアドバイスもありました。IMG_1549 のコピー

 

 

[2.収支計画で創業後の資金繰りを考える]
どんなに素晴らしい商品・サービスでも、売れなければ事業を続けることはできません。
また売れたとしても、原価や経費がかかりすぎたり、借入金の返済ができなければ、
資金繰りに行き詰まってしまいます。創業計画書では「創業した後の収支計画」について
見通しを立てる必要があるそう。
受講生はワークシート「損益計画の前提」を使って、1年分の売上高(飲食業ならば客
単価×席数×回転率×営業日数×12か月)と、その売り上げを上げるのに必要な原価、
経費(人件費や家賃・光熱費など)を計算。年間の売上高予想から原価・経費を引いて、
手元に残る営業利益をシミュレートしていきました。
今井さんは「営業利益から経営者の生活費をまかない、借入金がある場合は元本の
返済や利息の支払いも必要です。それが可能な営業利益を上げられるかが、収支計画
の大切なポイント。無理ならば売上高を増やすか、支出を減らすかして帳尻を合わせな
ければなりません」と話します。融資する金融機関などでは、計画の数字に整合性が取れ
ているか、その数字は実現できるかを厳しくチェックしているそう。
融資を受けないにしても、売り上げの予想や支出の見通しが甘ければ、事業は早晩続け
られなくなってしまいます。経営者は冷静に、現実的な数字の組み立てを行うことが求め
られるんですね。
「最初から完璧に創業計画書が書ける人はいません。商工会議所が作成をサポートしま
すから、まずは“こんなことで起業したい”と相談してみてください。周囲の専門家をうまく
活用して、安定した事業のスタートを切ってくださいね」と今井さん。受講生に熱いエール
を贈ってくれました。

 

 

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[3.創業に関わる補助金と制度融資]
国や地方自治体では、創業に関するさまざまな補助金や低金利の融資制度を整えて
います。上田市役所の商工観光部 商工課の方から、以下の制度について紹介があり
ました。

 

①上田市創業促進支援事業補助金
上田市内に住所があり、規定の業種で創業10年未満の人が利用できる補助金。事業
所を借りる場合の家賃や改装費用を補助してくれます(期間・上限の設定あり)。

 

②テナント出店支援事業補助金
上田市内の商業地域の空き店舗に出店する場合、その改修・改築費用の3分の1
(上限150万円)を補助してくれます。出店する業種や補助の対象には条件があります。

 

③特定創業支援事業による証明書
「女性のための創業スクール」をはじめとした、上田市創業支援プラットフォームの創業
支援事業による支援を受けた人に証明書を交付(申請した人のみ)。この証明書があれ
ば、株式会社を設立する際の登録免許制の軽減措置や、融資を受ける際の信用保証枠
の拡大などの特例が受けられます。

 

 

この他にも中小企業の支援を目的に、年利1.1~1.5%と金利を低く設定した市・県の融資
制度、女性や若年層の起業を後押しするための国の融資制度などがあります。資金の使途
や創業年数などによっても利用できる制度は異なるので、詳しくは商工会議所や金融機関
で相談するのがよいそうです。

 

 

次回の講義は
「プレゼンテーション ~顧客・支援先・金融機関に伝わる! 創業に必要なプレゼンスキル~」
です。お楽しみに!

(office晴文堂 山本里つ子)

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