<テーマ>
先輩起業家のトークセッション&ネットワーキング(交流会)
<ゲスト>
・平林 睦子さん(まいにちのパン主宰)
・堀内 詩織さん(YUNO INTERIOR DESIGN主宰)
・宮木 慧美さん
(LEGO®︎ SERIOUS PLAY®︎メソッドと教材活用トレーニング修了認定ファシリテータ/
一般社団法人ミライケ 理事/キャリアコンサルタント)
<ファシリテータ>
<日程>
2021年11月16日(火)9:30~12:30
女性のための創業スクールを2年ぶりに開催しました。
コロナ禍で変化した「働き方」。オンライン・リモートワーク時代突入で、女性
の働き方の選択肢としての“創業”を考えます。
6日間で、創業について体系的に学べるようなプログラムを組みました。
創業に興味がある方、創業している方などに受講して頂き、創業とは何か・
どのように進めていけばいいのか、先輩はどうやって創業したのか、どの
ように自分のやっていることを広めていけばいいのかが、全ての回に出ると
分かるようになっています。
今回は、気になる回のみの参加、全回参加を選べるような設定にしました。
それから、創業というと1人で進めていくことが多く、“孤独”を感じると
いう先輩起業家の方からの情報を基に、同じ志を持つ受講者同志が交流できる
ワークショップなども多く取り入れました。
第4回は、“先輩起業家のトークセッション&ネットワーキング(交流会)”と
題して、長野県内で創業し現在もご活躍中の平林睦子さん、堀内詩織さん、
宮木慧美さんをお招きし、起業について幅広いお話をお伺いします。
ファシリテータを務めてくださったのは、二代目長野県住みます芸人のゆで
たかのさん。通常のスクールとは違った和やかな雰囲気でスタートしました。
[講義の概要]
1.ワークショップ(レゴ®シリアスプレイ®) ※交流を深めるための一歩
2.先輩起業家のトークセッション
3.ネットワーキング(交流会)
[1.ワークショップ(レゴ®シリアスプレイ®)]
先輩起業家であり、レゴ®シリアスプレイ®認定のファシリテータである宮木さ
んが、受講者の交流を深めるため、レゴブロックを使ったワークショップを行い
ました。レゴブロックで作品を作り対話することで、未だ言語化できていない自
分の中にある想いを表現します。
子供のためのおもちゃというイメージがあるレゴですが、レゴ社が開発した、会
議などで使うメソッドです。会議では声の大きい人が9割話しているというイメー
ジで、意見を言えない人は会議中ずっと黙っていて一言も喋れない、面倒くさく
なって前の人と同じ意見ですと言ってしまう場合、全然クリエイティブでなく、
本当に皆で作っている会議とは言えないという課題から生まれたのが、レゴ®シリ
アスプレイ®というメソッドです。
①問いを立てる(ファシリテータが問いを投げかける)
②作る/意味を与える(受講者が手の赴くままに作品を作る/作品に意味を与
える)
③共有する/語る(どういう意図で作品を作ったか共有する/語り合うこと
で全員が100%考えた意見を出すことができる)
④振り返る/より深く学ぶ(皆が参加した本当の共創の場を創っていける)
今回は時間の関係で、①②③を実施しました。上手に、綺麗に、かっこよく作る
ことが狙いではなく、赴くままに考えるより先に手を動かしましょうと宮木さん。
オンライン参加の方は、事前にご自宅へレゴブロックを郵送し、ご自宅で実践し
ていただきました。
∵お題① タワー
∵お題② 未知なる生物
∵お題③ 「創業」した私にとってのワクワクする未来
以上のワークショップを終えたところで、レゴ®シリアスプレイの時間は終了
となりました。
[2.先輩起業家のトークセッション]
「先輩起業家のトークセッション」ではゆでたかのさんに進行をお任せし、長
野県内でビジネスを立ち上げ現在もご活躍中の先輩起業家3名からお話を伺い
ます。先輩起業家としてお招きしたのは、坂城町で「まいにちのパン」を経営し
ている平林睦子さん、上田市でインテリアデザインと建築業を営んでいる堀内詩
織さん、茅野市や松本市を中心に教育業(法人)とライター業(個人)を営んでい
る宮木慧美さんです。以下、抜粋してお届けします。
∵ゆでさん
「なぜ開業・創業しようと思ったのですか?」
∵平林さん
「ライター時代にパン教室を取材したことがきっかけでパン作りを習い、
資格を取って自宅でパン教室を始めました。その後自宅の敷地内に作業所を建て
てパンの製造販売を始めました」
∵堀内さん
「自分の人生、例えば働く人や場所、時間などを自分で采配したいと思
ったからです。」
∵宮木さん
「会社員に向いていないなと思ったこと。また、『作りたい未来がある』
という熱い思いもあり、それを実現するためには会社員や組織だと難しいという
気持ちがありました」
∵ゆでさん
「開業する際に不安などはありませんでしたか?」
∵平林さん
「やればできるものだなと。最初は心配でしたが、今にしてみればそん
なに大したことではなかったなと思います。誰も来てくれなくて1個も売れなかっ
たらどうしようといった不安はありましたが、走り出してみると、ARECさんを
含め応援してくださる方が沢山いて。現在も迷ったり悩んだりすることはあ
りますが、創業する前に抱えていた『何もかも不安』というようなことはなくな
りました」
∵堀内さん
「平林さんがおっしゃるように、特に不安はなく、何とかなるんだなと
すごく思います。最初は成功するかしないか、お客さんが来てくれるか来てくれ
ないか、といった『二択』で考えていたところがあったんですが、いざ走り出し
てみると、『二択』ではなく『一択』だと思うようになりました。御飯が食べら
れなくなれば食べられるようにすればいいし、お客さんが来なかったら来るよ
うにすればいい。そうやっていけばいいだけの話なんだなと思います。」
∵ゆでさん
「その不安というのは、開業してどれくらいの時期に消えるものなんでしょうか?」
∵宮木さん
「私もお二人と同じように最初は個人事業主として独立して、その後仲間を見つけて
一緒に団体を立ち上げたんですが、最初は不安だったものの、『まずはやってみない
と分からない』と。また、当時相談させていただいた方が『勉強や経験はどこまで
いってもゴールではない、ではいつ自分は自信を持つことができるのかといったら
分からない、だったら今やったほうがいい』と言ってくれた言葉がすごく残っていて。
だったら今やるしかないなと思って、立ち上げました」
∵ゆでさん
「開業するにあたって、事前に改めて勉強したことはありますか?」
∵平林さん
「パンの技術の他に何を勉強したらいいか分からなかったので、まずはARECさんの
講座を知り、通って事業計画書の作り方など具体的におこなうことを学びました。
どうしてその事業を起こすのか、どんな商品を、いくらで、誰に向けて、どこで、
なぜそのサービスを自分がしなければならないかといったことを落とし込んで
教えていただけるので、覚悟を試されている感じになりました。
開業するときの最初の困難がそれだったかなと思います。」
∵ゆでさん
「開業してからどれくらいで『稼げた』と思いましたか?」
∵堀内さん
「サラリーマンのときを超えたのが2年目くらいの時でした。独立する前に企業の
クライアント様をご紹介いただいたので、起業したときには収入の何割かの保証を
いただいた上でのスタートだったのでありがたかったと思います。
会社を辞めると決めてから独立するまで1年くらいしかなかったので、その間に
困らないよう収入先の確保といった準備や、ご挨拶などをさせていただきました」
∵ゆでさん
「広告や宣伝についてはどうされていますか?」
∵堀内さん(ホームページ、ブログ、Facebook、Instagram、YouTubeを使用)
「いろいろと利用していますが、ミーハーに、世の中の流れに乗ったという感じ
です。この中ではInstagramが最もアップ数が多いということもあって反響が
大きい印象があります。今では買いたい商品をGoogleだけではなくInstagram
で検索するケースも多くて、情報収集のツールになっていることを実感したので
Instagramは大事だと思います。」
∵宮木さん(Facebook、noteを使用)
「法人の方では県内の教育関係者とお仕事をすることが多いのですが、実績が
あった方が信頼してもらえると思い、活動記録をnoteに掲載してFacebookに
シェアするという形で使っていこうと考えています。広報というよりは『記録』
という感じです。大学生や高校生向けにはInstagramやTwitterが届きやすいと
思うんですが、『記録』や『蓄積していく』という点ではnoteが便利かなと思いました。」
∵ゆでさん
「『なかなか(ピアノ教室の)生徒が増えないのですが、どうしたらいいと
思いますか?』という事前質問もいただいています」
∵平林さん
「私もパン教室を開いていた時期に悩んだことがあるんですが、私の場合は教室の
内容が分かるポストカードのようなものを作ってポスティングしたり、
カフェに置いていただいたりと営業のような活動をしました。その際、お店や家
の冷蔵庫に貼っておきたくなるようなデザインを重視したんです。貼っておいても
らえば何かの機会に『行ってみようかな』と思っていただければと思って作って
いた時期があります。」
∵ゆでさん
「参考にしているSNSや人について教えてください。」
∵平林さん
「自分が購入して美味しいと思ったパン屋さんのインスタはチェックしています。
ライバルチェックという意識はなく、単純にパン屋さんに行くのが好きなので、
いろんなパン屋さんを食べ歩きしたり、お店に来るお客さんに『どんなパン屋さんに
行きましたか』という風にお話を伺ったりして、楽しみながらやっています。」
∵堀内さん
「私も同業他社の方のことをライバルとは思っていなくて、Instagramなどのフォロー
も控えています。私の場合、同業の方ばかりをフォローしていると『井の中の蛙』に
なっていくというか、私のサービスを届けるのは一般のお客様なのに、お客様が何を
求めているのか等が離れていってしまうような気がするので、一般の方をフォロー
するようにしています。また、Instagramだと、何万人もの人にフォローされている方
というのは絶対にフォローされるだけの理由があると思うので、なぜこんなにフォロー
されているのか、好かれているのかなどをくまなくチェックして、いただけるものは
頂戴していくという感じです」
ひととおりお話を伺ったところで、参加者の皆さんからの質問に個別に答えて
いただき、「先輩起業家のトークセッション」は終了となりました。
[3.ネットワーキング(交流会)]
ネットワーキング(交流会)では、平林さん、堀内さん、宮木さんと参加者の皆さん
との交流会を会場・オンラインに分けて設けました。会場ではお三方に直接質問
する形式で、オンラインではゆでさんとゲストがモニター前に座ってオンライン参
加者の質問に答えるという形式で進行しました。会場、オンライン共に和やかなが
らも熱い質疑応答が繰り広げられ、皆さんの創業に対する関心の高さが伺えました。
受講者からは、「LEGOを使ったワークショップがとても面白かったです。同じパー
ツを使っていても全く違うものができるというのも面白く、発想力が少しついた
気がします」「心構えや、どんな風に乗り越えてきたかなど、ヒントや刺激になる
ことが沢山ありました。このような情報交換の場がまたあればまた参加したく思い
ます」といった感想が出されました。
「女性のための創業スクール #創業を自分事にする6日間」第4回のレポートを
お届けしました。ご参加くださった皆様、誠にありがとうございました。
次回は【自分の顧客となる像をより鮮明にする【ペルソナ設定】】です。
お楽しみに!
上田市創業支援プラットフォーム/
一般財団法人浅間リサーチエクステンションセンター(AREC) 楢崎麻里