上田市創業支援プラットフォーム

【レポート】ミニウーマンミーティングin長野

レポート2018.11.29

<日程>2018年11月12日(月)
<開催場所>サントミューゼ 多目的ルーム

 

 

 

子育てと仕事の両立、自分の得意や好きを活かした働き方の選択肢として の

「起業」。女性が「自分らしく、得意・好きを活かして働く」には、地域の

起業支援者や、 応援してくれる人、一緒に頑張る仲間の存在が必要です。
しかし、支援者や仲間と出会える機会はなかなかありません。

そこで今回、女性起業家を応援する行政や商工会議所、金融機関等の支援者、

起業の先輩である女性起業家、ママサークルや地域活動団体と、支援を受け

たい女性起業家、起業・自宅開業、フリーランスに興味がある女性等が、

“女性の起業をテーマに繋がる”イベント「ミニウーマンミーティング」を、

長野県内で初めて開催いたしました。
多くの方に関心を持っていただき、当日は約90名が参加し、大きな盛り上が

りとなりました。

 

 

【開催プログラム】
第1部 女性起業支援者によるトークセッション「女性の起業を応援する私たちの支援Story」
第2部 県名4名の女性起業家によるパネルトーク「私たちの起業Style」
第3部 交流会

 

 

第1部 女性起業支援者によるトークセッション「女性の起業を応援する私たちの支援Story」

 

<パネラーの経歴や活動>20181112-0026
■株式会社キャリア・マム 取締役 COO 井筒祥子さん
大手総合商社の建設・不動産部門入社。出産後は、海外不動産投資案件のプ

ロジェクト審査へ。第2子の育児休業中、現在の株式会社キャリア・マムの

代表取締役の堤と出会う。
「子育てをしながら働ける場が欲しい」、「これまでの生きてきたすべてを

キャリアとして活用したい」という思いで意気投合し(株)キャリア・マム

設立時(2000年)に創業メンバー(執行責任者)として経営に参画し、現在

に至る。
■ 一般財団法人浅間リサーチエクステンションセンター(AREC)

センター長専務理事 岡田基幸

 

 

女性の「働く・起業」を応援する様々な取り組みや、起業を通じて女性にと

ってどんな可能性が拡がるか、創業支援の未来像について岡田がファシリ

テーターとなり、20年以上にわたり全国10万人の女性の就労・創業支援をお

こなってきた、株式会社キャリア・マム 取締役 井筒さんにお話を伺いまし

た。

 

 

−井筒さんは、今まで多くの女性の起業を支援されてきました。なかには、

起業をしたいという気持ちがありつつ、起業に至らなかった人もいたかと思

います。そのような方はどのような点で躓くことが多いですか?

人によって異なりますが、躓くポイントはいくつかあります。
まず、多くのセミナーに足を運ぶものの起業をスタートできない女性。自分

に自信を持てない、大丈夫だという確証が持てるまで動けない方がいらっしゃ

います。このような方は、やりたいという思いの一方で、やらない理由を探

していることも多いです。
そして、思い先行型。やりたい、あったら良いというアイデアはあるものの、

そのアイデアをどう起業に繋げれば良いのか、具体的に進められない方がい

ます。
また、起業の種類によっては、一人でやるよりも「みんな」でやるのが良い

こともあります。ですが、自分がやることにこだわってしまって、躓いてし

まう方もいらっしゃいます。

 

ー長野県内でも創業への関心が高まっています。支援者ができることはあり

ますか?

支援者がなんでもやりすぎはよくない、と私は考えています。
株式会社キャリア・マムは、女性のキャリアと社会をつなぐという企業理念

のもと事業展開をしています。企業としても、また個人としても、人と人を

繋げていくことを意識しており、場作りやマッチングは積極的に行っていま

す。

 

ー起業を目指す人へメッセージをお願いします。
起業をすることは、難しいことではなく実は簡単です。ですが起業後、事業

を続けていくことは難しいです。事業を続けていくなかで多くの支援や応援

をいただくことと思います。その感謝の気持ちを忘れず、きちんと返す。こ

のような女性ならではの目線も大切です。
私たち、株式会社キャリア・マムも起業をして20年経ちました。まだまだ走

り続けているところです。皆さんと一緒に走っていきたいと思います。

 

 

第2部 県名4名の女性起業家によるパネルトーク「私たちの起業Style」

 

少し先を行く、先輩女性起業家も最初はゼロからのスタートでした。起業し、

事業を続けるにあたってどんな壁にぶつかったのか。そして、どのような支

援があって壁を乗り越えてきたのか。起業家としての仕事のやりがいとは。

長野県内で活動を行っている4人の先輩女性起業家にお話をお伺いしました。

 

<登壇者プロフィール>20181112-0039
■整理収納アドバイザー「Home Curation」 飯島真紀子さん(千曲市)
出張お片付けサポート、新築間取り、収納プランニング、起業サポート、

お片づけ講座の開催
「ズボラさんのためのお片付けレッスン」
「資格を増やさないでできる、お片づけ起業」

■「まいにちのパン」店主 平林睦子さん(坂城町)
パンの製造、卸売り、予約販売をしています。国産小麦や未精製の砂糖、平

飼い鶏の卵などを使い、安心して食べられるパンを心掛けて作っています。

■オーガニック ローカルフード・コーディネーター 平林葉子さん(青木村)
オーガニック ローカルフード・コーディネーターとして、地元の食材の魅

力を最大限に生かすような料理の開発や提供、料理教室や講演などを行って

います。

■インテリアコーディネーター「YUNO Interior Design」 主宰 堀内詩織さん(上田市)
住空間(住宅・マンション・賃貸物件など)、商空間(サロン・展示場・店

舗など)のインテリアコーディネートを主軸としたサービス・インテリア商

品の提供をしています。同業者向けインテリアスケッチ教室、エンドユーザー

様向けインテリアワークショップなども行っております。
「YUNO Interior Design 」

 

 

ー起業の経緯について教えてください。

飯島さん:子どもが3人おりまして、専業主婦として8年過ごしてきました。

夫の仕事が忙しく、まわりに頼れる親族もおらず、子育てに追われて、精神

的にイライラする日々を送っていました。
そのような生活が、片付けをしたことにより明るい方に大きく変化したのが

事業を始めるきっかけとなりました。
また、仕事をしたいという気持ちがあったものの、子育てや家事などのこと

を考えると会社員はハードルが高く、そのことも起業をした理由として大き

かったです。

平林睦子さん:結婚を機に坂城町へ越してきました。坂城町にはパン屋がな

かったので、パン教室として活動を始めました。パン教室を開講しているう

ちに、パンを作って卸して欲しいというご依頼をいただくようになりました。

当時、まだ工房を持っていなかったので、上田市にあるキッチンまで通って

作っていました。ある時、自宅に遊びにきていた子どもの友人が私の作った

パンを食べながら「パン屋さんになったら!?」と言ってくれたのが、起業

する大きなきっかけとなりました。

平林葉子さん:起業前に飲食店での料理のアシスタント経験などもあったの

ですが、起業のきっかけとなったのは、子どものアトピーでした。子どもの

アトピーを薬を塗って治すだけではなく、体の中から改善できないかと思い、

マクロビの勉強を始めました。
勉強を進めていくなかで、マクロビを多くの人に味わってもらいたいという

気持ちが大きくなり、上田市で活動している特定非営利活動法人「食と農の

まちづくりネットワーク」が展開しているワンデイシェフ(お店に登録した

料理好きの皆さんが、日替わりで調理を担当してランチを提供するスタイル

のレストラン)にて活動をスタートしました。

堀内さん:出身が長野市で、長野市内で働いていたのですが、結婚を機に上

田市に越してきました。結婚後も退職はせずに、長野市まで高速を使って出

勤していました。労働時間も長かったので、クライアントの家を綺麗にして

いる一方で、自分の家が悲惨な状態になってしまい…そのことをきっかけに

退職、独立をしました。
独立は上田に住んで3年目。独立直後は、仕事の縁も全くなかったのですが、

周りのサポートにより仕事をいただけるようになりました。

 

ー平林睦子さん、堀内さんは創業をする際に「女性のための創業スクール」

に通われました。通われた理由、また通って良かった点についてお聞かせく

ださい。

平林睦子さん:私はパン屋をはじめたい、でもどうしたら良いか分からな

いという時期が長かったのですが、そのような状況時に「女性のための創

業スクール」の存在を教えてもらい通うことにしました。
受講するまでは、創業について何が分からないのか分からなかったのです

が、受講をしたことにより、お客さんの目線で考えることが抜けていたこ

とを知って、色々な角度から自分の事業を見められるようにもなりました。
また、スクールには創業したい女性が多く参加されていて、皆さん熱意が

あり、刺激になりました。

堀内さん:「女性のための創業スクール」は独立の準備中に知り、参加す

ることを決めました。事業内容についての知識はあれど、事業に必要なプ

ロモーションなどの知識がなかったので、勉強したかったというのが大き

かったです。
講師の方たちが、それぞれの分野のエキスパートで創業をするのに役立つ

知識を多く得ました。授業の後に、個別でも質問させていただくことも多

数ありました。
また、ホームページ制作やカメラマンなどの他業種との繋がりも作れたの

が良かったです。

 

ー子育てしながら自分らしく働き続けることのコツ、ご家族との関係で意

識していることについて教えてください。

飯島さん:仕事柄ということもありますが、家のなかを整えるようにして

います。家が整っていると仕事も家事もしやすく、また家族の協力も得や

すいです。

私は「育児もしたい」という気持ちもあって起業をしたので、どうして起

業をしたのかという原点を大切にしています。
仕事と家庭のバランスを大事に、自分が大切にしたいことが何かを忘れな

いように心掛けています。

平林睦子さん:自宅にある工房でパンを作っているので、家族に協力をお

願いするようになりました。
お礼をきちんと伝えるなど、家族がいかに気持ち良く家事に参加してもら

えるかを意識しています。
また、パン屋という食を商いとしているので、子どもの食事は怠らないよ

うに気をつけています。

平林葉子さん:子育てをしながら働いているので、子どもに「仕事をして

いる」ということを理解してもらうようにきちんと伝えるようにしていま

す。理解してもらうには時間かかるのですが、何度も伝えるようにしてい

ます。家族みんなで、共有するということを大切にしています。

堀内さん:自宅で仕事をしているので、24時間仕事ができる状況です。で

すが、家族との時間が足りないと感じて前職を辞めたので、また仕事ばか

りしてしまっては本末転倒になってしまうので…始業、就業時間をはっき

りと決めて家族との時間を作るようにしています。

20181112-0064

 

第3部 交流会

 

第3部には、中島恵理副知事も参加してくださいました。
中島副知事からは、「私自身も子育てをしながら働いてきました。県とし

ても女性の夢の実現を応援しています。県では学びの場をより多く提供し

ていきたいと思っています。具体的に動きたい人には創業サポートオフィ

スも是非活用してください。」と、これから起業を目指す参加者の方達に

エールが送られました。
また、有志の参加者による1人1分間の自己紹介タイムを設けました。10名

ほどの方がマイクを持って、自身の事業や活動のアピールを行いました。
その後、支援者、参加者、それぞれが繫がりたい人・もっと話してみたい

人と交流を深めるフリータイムの交流会へ。閉会後も会場がクローズにな

る時間まで多くの方で賑わい、多様な繋がりが生まれました。

 

 

「ミニウーマンミーティングin長野」の様子は、広域関東圏女性起業家サポートネッ

トワーク「私の起業Style」でも紹介されています。
https://watashi-style.org/information/nagano_report
こちらもあわせてご覧ください。

 

 

主催:経済産業省「女性起業家等支援ネットワーク構築事業」広域関東圏女

性起業家サポートネットワーク事務局(株式会社パソナ 官公庁事業部 官

公庁1チーム内)
共催:上田市創業支援プラットフォーム
後援:長野県
東信州次世代産業振興協議会
(上田市 、小諸市 、佐久市 、千曲市 、東御市 、立科町 、長和町 、青木村 、坂城町 )
イベントコーディネーター: 一般財団法人浅間リサーチエクステンションセンター(AREC)

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