<テーマ>
売れる商品・サービスにブラッシュアップしよう(前編)
~競合商品のリサーチ、魅力ある商品・サービスとは~
<講師>
NPO法人 上田図書館倶楽部 情報サービス部会長 西入 幸代さん
一般財団法人 浅間リサーチエクステンションセンター(AREC) 専務理事 岡田 基幸さん
<日程>
2018年10月18日
10月からスタートした「女性のための創業スクール第3弾・平日コース」。本
講座は、創業や事業運営で生じる課題に対して「自分で気付き、自ら行動する
クセをつける」ことを目標に、実践的なカリキュラムが盛り込まれています。
創業の基礎知識を得る座学に加え、「PDCA(計画・実行・評価・改善)サイ
クル」という手法を軸に、受講生がそれぞれ抱える課題を掘り起こし、答えを
見つけるワークも行います。
第2回のテーマは「売れる商品・サービスにブラッシュアップしよう(前
編)」。上田市が運営するビジネスに特化した図書館「上田情報ライブラリー」
に整備されている新聞記事データベースを活用し、競合商品のリサーチや魅力
ある商品・サービスを考えていきます。
[講義の概要]
1.チェックイン
2.講義①新聞データベースを活用するメリット
3.ワーク①新聞データベース検索
4.講義②商品開発に求められる視点と事例
5.ワーク②データベースの検索結果を共有する&チェックアウト
[1.チェックイン]
前回同様、受講前と受講後の自分の変化や学びの結果を確認するため、講義前
に「チェックイン」を実施しました。受講生は4人ひと組で「今日学びたいこ
と」を発表し、お互いの考えを共有。今日のカリキュラム“先行している競合商
品・サービスの事例を調べる”に沿って、受講生からは「同業で失敗・成功した
事例が知りたい」「自分のアイディアが実現可能なものなのか、手がかりをつ
かみたい」など意欲的な意見多く出されました。
[2.講義①新聞データベースを活用するメリット]
競合商品・サービスの事例を調べることが、なぜ自分のビジネスに役立つので
しょうか。それは「競合商品・サービスの“売り”を知ることが、自分の商品・
サービスとの差別化につながるから。似たような商品・サービスでもニーズに
合わせた“他にはないポイント”があれば、マーケットの支持が得られます。
もちろん先例には成功したケースもあれば、失敗事例もあるはず。リサーチす
ることで自分がビジネスを運営していく上で注意すべき点も見つかります。さ
らに、インターネットや新聞データベースで調べても何も出てこないこともあ
る、と講師の西入さん。「何も情報がないことも大事な情報。あなたがやろう
としていることは、まだ誰も手がけていない新しい挑戦かもしれませんから」
と話します。
そして新聞データベースを使うメリットは、誰もが情報を発信できるインター
ネットと異なり“新聞記者や編集者など第三者のフィルターを通した信頼できる
情報」という点です。先進性があったり、話題になる取り組みだからこそメディ
アに取り上げられるので、そうしたビジネスは社会の中で一定のニーズがある
と考えられます。
[3.ワーク①新聞データベース検索]
上田駅前にある上田情報ライブラリーには、日本経済新聞・日経産業新聞・日
経MJ新聞などに掲載された記事や人名、企業プロフィールなどを検索できる
「日経テレコン21」、長野県内の情報を集めるのに適した「信濃毎日新聞データ
ベース」、農業や食品についての情報に特化した「ルーラル電子図書館」の3
つを無料で利用することができます(利用前に申し込みが必要)。
ワーク①では西入さんのガイドのもと、受講生がそれぞれ知りたい事柄をデータ
ベースで検索しました。
[4.講義②商品開発に求められる視点と事例]
講義②では、産学官の連携や起業をサポートし、本講座を運営する「上田市創
業支援プラットフォーム」の事務局長でもある岡田さんが、これまで経験した
商品開発の事例を紹介。
商品のターゲットを女性やシニア、外国人観光客など特定の層に絞ってみる、
既存のもののサイズや形など“固定概念”を壊してみる、普及が進むIoTを活用し
た商品・サービスを考えてみるなど、アイディアのタネになる幾つもの切り口
が提示されました。
「新しい商品・サービスを考えるには“柔軟・斬新”がキーワード。世の中の動
きやトレンドに対して自分のアイディアは独創性があるか?を常に考えてくだ
さい」と岡田さん。経歴や専門分野、人脈、社会との関係性など、誰しもが持
つ“自分のカラー”や、自分の周囲にいる人とのコラボレーションなども、独創
性のあるビジネスのタネになりうると話してくれました。
[5.ワーク②データベースの検索結果を共有する&チェックアウト]
講座の最後はチェックアウトも兼ねて、受講生がデータベース検索した結果や
感想を共有し合いました。
「検索したい語句が少なくて、思うような結果が得られなかった」「自分のや
りたいことを複数の方向から考えてキーワードを出す必要を感じた」といった
意見や、「県内では競合がなかったが、首都圏での先行事例があり参考になっ
た」「利益優先ではなく、ソーシャルビジネスのようなアプローチもあるのだ
と気付いた」などの意見が上がりました。西入さんからは「データベースは使
い慣れることで得られる情報の精度も上がる。どんどん活用して、新しいビジ
ネスに活かしてほしい」とエールが送られました。
「女性のための創業スクール第3弾・平日コース」第2回のレポートをお届け
しました。
次回は「売れる商品・サービスにブラッシュアップしよう(後編)」です。
お楽しみに!
(office晴文堂 山本里つ子)