テーマ:SNSを使わない人にも響く!手書きチラシの作り方
講師:合同会社キップル マーケティングプランナー 吉田 達矢
日程:8月8日
創業を考えている、またはすでに創業した女性が、経営者に求められるスキ
ルやノウハウを学ぶ「女性のための創業スクール」。2018年度の新講座「S
NSコース」では、SNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)を使った実
践的なPRやカスタマーサービスを全6回のカリキュラムで学びます。
第2~6回の講師を務める吉田達矢さんは、30年以上大手企業などの広告制
作に携わり、現在はウェブを軸にマーケティングプランナーとして活躍され
ています。
SNSコース最終回の講義は「手書きでチラシを作ってみる」がテーマ。これ
までWEBでの情報発信を学んできましたが、それだけではどうしてもPRが
届かないターゲットもいます。今回はチラシをベースに、広告デザインの基
本要素を学びました。
[講義の概要]
1.チラシが必要なシーンとは
2.広告を“デザインする”とは
3.チラシ作成のポイント
[1.チラシが必要なシーンとは]
チラシの配布には、デザイン・印刷・折り込みなどにSNSでの広告よりコス
トがかかります。どの広告にも言えることですが、確実に反響があるとは限
らないため、費用対効果を考えると負担が大きい手段です。
吉田さんによると「商品やサービス、想定するターゲットによっては、SNS
での情報発信の効果が限定されてしまうケースもあります。そうした層にア
プローチするには、チラシは有効な手段」。
現状、65歳以上の7~8割はアクティブにWEBからの情報収集をしないと
言われているそうです。シニア向けの商品・サービスをメインにしている場
合は、思い切って広告宣伝費を投入する必要もありそうですね。
[2.広告を“デザインする”とは]
せっかく費用をかけるのであれば、想定するターゲットに“きちんと届く”チ
ラシを作りたいもの。それにはまず「6W1H」を整理することが大事なのだ
そうです。
「6W1H」とは、下記の7つの要素。
・When(いつ)→店舗のオープン日やイベント開催日
・Where(どこで)→住所やアクセス
・Who(誰が)→店名(事業者名)
・What(何を)→商品・サービスとその特徴
・Whom(誰のために)→商品・サービスの対象者
・How much(いくら)→商品・サービスの価格
「広告をデザインするとは、これらの要素を想定するターゲットに響くよう
に、写真や色・イラストなどでビジュアル化し、文章を読まなくても伝わる
工夫をすることです」と吉田さん。広告を見る人は、10秒程度で「自分に必
要な情報か」を判断するそう。短い時間で内容が伝わるチラシを作るには、
6W1H、なかでも「Whom(誰のために)」を明確にすることが必要不可欠
だといいます。
講義では受講者それぞれが、チラシのコンセプトになる「自分が伝えたいこ
との6W1H」を書き出す演習を行いました。
[3.チラシ作成のポイント]
「6W1H」が整理できたら、次はチラシに盛り込む4つの素材を用意します。
・キービジュアル(伝えたいことのシンボルとなる画像やイラスト)
・キャッチコピー(ターゲットの興味をひく短いフレーズ)
・インフォメーション(チラシの目的やキービジュアルの説明となる文章)
・アクション(チラシを見た人にとってほしい行動。問い合わせや来場、WEB検索など)
これらの素材を紙の大きさに合わせて適切に配置することで、短時間でも内
容が伝わるチラシのベースができあがります。
さらに、見る人の視線の動きを意識して情報を配置する、キービジュアルは
チラシだけでなくSNSの情報発信でも統一し、繰り返し訴求するなど、具体
的なチラシ作成のポイントが紹介されました。
受講生はこうしたポイントを踏まえながら、用意したキービジュアルやキャッ
チコピーを使い、A4のチラシを作る演習にチャレンジ。吉田さんから細かな
アドバイスを受けながら黙々と作業に取り組みました。完成後は全員の前で
発表。キービジュアルの大きさや、ターゲットが求める情報に的を絞れてい
るかなど、具体的な改善点を交えた講評で締めくくられました。
「ターゲットに伝わる、響くデザイン」とは、派手な見た目や奇抜な発想で
はなく、自分の商品やサービスのコンセプトをビジュアル化し、それを見る
人のゴール(とってほしい行動)をきちんと設定すること、と吉田さん。こ
の考え方はチラシに限らず、SNSの情報発信でも欠かせない基本。常に意識
してPRすることが大切なんですね。
全6回の講座を通じて「誰に、何を、どう伝えるか」を学んだ創業スクール・
SNSコース、いかがでしたか? 受講生からは「これまではプライベートでし
か使わなかったSNSが、自分のビジネスの強力な情報発信ツールになるとわ
かって驚き」、「教わったことを継続して実践したい」といった感想が聞か
れました。興味を持たれた方はぜひ、上田市創業支援プラットフォームの講
座やイベントに参加してみてくださいね!
(office 晴文堂 山本里つ子)