上田市創業支援プラットフォーム

【レポート】「女性のための創業スクール 2018」SNSコース・第2回

レポート2018.07.25

テーマ:集客&成果につながる!ビジネスブログ・Instagram レッスン
講師:合同会社キップル マーケティングプランナー 吉田 達矢
日程:7月11日

 

 

創業を考えている、またはすでに創業した女性が、経営者に求められるスキ

ルやノウハウを学ぶ「女性のための創業スクール」。2018年度の新講座「S

NSコース」では、SNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)を使った実

践的なPRやカスタマーサービスを全6回のカリキュラムで学びます。

第2回からは、いよいよSNSでの効果的なPR方法を考える講義がスタート。

講師の吉田達矢さんは30年以上大手企業などの広告制作に携わり、現在は

ウェブを軸にマーケティングプランナーとして活躍されています。今回は、

誰もが情報発信できる時代だからこそ重要になるPRの戦略と、マーケティ

ングの考え方について学びました。

 

 

[講義の概要]

.「誰に、何を、どう伝えるか」から考える

.ビジネスブログとInstagramについて

 

 

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[1.「誰に、何を、どう伝えるか」から考える]

ビジネスでSNSを活用するには、一方的な情報発信ではなく「情報の受け手

の共感を得る」必要があると吉田さんはいいます。

受け手の共感を得るためには、「誰に、何を、どう伝えるか」というストー

リーに自分の商品やサービスを落とし込み、PR戦略を立てなければなりません。

 

(1)誰に?を考える

自分のビジネスを伝えたい相手=ターゲット。マーケティングでは、ターゲ

トは「商品・サービスを買う人(コンセプチュアル・ターゲット)」と、「商品

サービスを周知したい人(コミュニケーション・ターゲット)」の2つがあり

ます。

自社の商品・サービスを全く知らない人に知ってもらう、興味を持ってもら

うのが“コミュニケーション・ターゲットへのPR”。日常の中で意識せずとも

目に入るマス広告や看板、タイアップ広告などがその手段として使われます。

コミュニケーション・ターゲットから一段階進んだ状態が、自社の商品・サー

ビスを買おうかな? 自分に必要かな? と考えているコンセプチュアル・ターゲッ

ト。この段階にある人には、実際の使用感や具体的な価格が伝わるブランドサ

イトやクチコミサイトで情報を提供し、購入の後押しをしなければなりません。

それぞれのターゲットに響く“ストーリー”を個別に作り、最適なメディアに

乗せて発信する→潜在的に自社の商品・サービスを求めている層にアプロー

チする機会が増える→コンセプチュアル・ターゲットが増える、というサイ

クルが生まれると吉田さん。

また、メディアをターゲットの年齢によって使い分ける(若年層にはWEB、

シニア層なら紙媒体やマス広告が接触頻度が高い)のも大切だといいます。

 

(2)何を? を考える。

ターゲットに伝えたいこと=自分のビジネスの価値。ものやサービスの価値

も2つに大別できます。

①機能的価値(機能価値)

商品やサービスの性能・スペックによってもたらされる価値。洗剤ならば付

着した菌を●%除菌、サービスなら100円ごとに●ポイント進呈! など。明示

しやすいぶん競合他社との差別化は難しく、価格競争におちいりやすい。

②情緒的価値(情緒価値)

商品やサービスを体験したときに得られるポジティブな気持ち。洗剤ならば

室内干しをしたのに臭くない、サービスなら対応がとてもよかった、快適だっ

たなど。お金で換算することができないぶん、自社の商品・サービスのファン

を獲得する(=ブランディング)には欠かせない価値。

吉田さんによると、広告は、商品・サービスの情緒的価値を可視化する(目

に見えるように表現する)ことが大きな役割であり、見る人の感覚・感情に

訴える広告ほど効果が大きいといいます。

③レコメンド(自己表現価値)

車や腕時計、住宅、評判のレストランなど、その商品やサービスを所有、体

験する自分自身の価値も上がったように感じられること。自分が手にする商

品やサービスで、自己実現を図る。SNSで「こんなところに行った、こんな

ものを食べた」と情報発信するのは、自己表現価値をアウトプットしている

と言える。

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(3)どう伝える?を考える。

情報の伝え方には①広報宣伝、②広告、③販促の3パターンがあるそう。そ

れぞれに伝えたい価値とマッチする組み合わせがあります。

①広報宣伝×機能的価値

自社の商品・サービスが「ここに売ってる、こんな機能を持っている、値段

はいくら」といった情報を、エンドユーザーにプッシュするのが広報・宣伝。

目には止まるが、購買・利用につながる行動喚起は生まれにくい。

②広告×情緒的価値

自社の商品・サービスを利用した人が「おいしかった、楽しかった、お得だっ

た!」という感情、体験をターゲットに共有するのが広告。見る人に「おい

しそう、楽しそう、買ってみたい!」と行動を起こさせるきっかけになる。

映像や画像を共有しやすいSNSは、この「共感→行動喚起」が一番得意な分野

だといえる。

③販促×機能+情緒的価値

お試しキャンペーンやセールなど、自社の商品・サービスに対する接触機会

の拡大が販促。コミュニケーション・ターゲットの獲得が目的であり、その

後継続的に情報を受け取ってもらうことが大事。SNSでの販促情報発信も、

あくまでコンセプチュアル・ターゲットを徐々に増やすのが目的。

ちなみに自己表現価値をPRするには、顧客サービスを充実させる(サンキュー

レターや購入後のクーポンなど)のがいいそうです。

 

 

[2.ビジネスブログ・Instagramについて]

WEBでの情報発信が大きな力を持つ現在、ビジネスブログは公式ホームペー

ジと同様の機能を備えておくことが大事だと吉田さんはいいます。企業名、

業務内容、商品やサービスの紹介、アドレスなどの固定情報を表示しやすく、

過去の投稿もさかのぼって検索しやすいブログは、自社の商品やサービスに

興味を持ったコンセプチュアル・ターゲットが情報収集のために接触するもの。

SNSと親和性のある情緒的価値だけでなく、購入を検討するターゲットが必要

な機能的価値の情報を得られるように、意識してコンテンツを作ることが大切

です。また、現在はスマートフォンでWEBサイトを閲覧する人が多いので、ブ

ログ画面をスマホ対応にしておくことも重要です。

いっぽうでInstagramやFacebook、ツイッターなどのSNSは、今日、今という

「リアルタイム」に対して共感・共有を求めるツール。とりわけインスタグラ

ムは画像が主役なぶん情緒的価値を伝えやすい、と吉田さん。「誰に(どんな

ターゲットに)、何を(どんな価値を)伝えるか」というストーリーを意識し

て画像を投稿すれば、自社の商品・サービスの広告として十分に機能するとい

います。arec_0711_016 のコピー 2

なお、広告として機能させるには、ターゲットが検索キーワードとして使う

「ハッシュタグ」を意識・活用すること、自分のアカウントのフォロワーを

増やすのでなく、投稿の閲覧数(インプレッション数)を増やすことを重視

することが大切。そのためには自分のアカウントの「プロフィール画面」を、

商品・サービスの情報の玄関口として整えることが欠かせません。基本情報

の他、運用しているビジネスブログやFacebook、公式ホームページのリンク

も忘れずに記載しましょう。

ちなみにInstagramでは「ビジネスアカウント」に設定すれば、アクセス数

や自分の投稿に対するインプレッション数を確認できるそう。

今回の講義はマーケティングの専門用語や概念も多く登場しましたが、吉田

さんの軽妙なトークに乗ってグイグイと内容に引き込まれた回でした。

 

次回は「仕組みがわかる! 仕事で使える! はじめてのFacebook」です。

お楽しみに!

(office晴文堂 山本里つ子)

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