上田市創業支援プラットフォーム

【レポート】「女性のための創業スクール 2018」SNSコース・第1回

レポート2018.07.18

テーマ:写真の基礎からSNS映えのコツまで! スマホ・タブレット写真術
講師:フォトグラファー 野々村 奈緒美
日程:7月4日

 

 

創業を考えている、またはすでに創業した女性が、経営者に求められるスキ
ルやノウハウを学ぶ「女性のための創業スクール」。2018年度の新講座「SN
Sコース」では、SNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)を使った実践的なP
Rやカスタマーサービスを全6回のカリキュラムで学びます。
第1回はファッション・観光・ウェブなど多方面で活躍中のフォトグラファー、
野々村奈緒美さん。スマートフォンやタブレットで「SNS映えする」写真撮影の
テクニックを教えていただきました。

 

 

[講義の概要]
1.撮影前に知っておきたい、スマホカメラの機能
2.写真撮影の基礎知識&実践!
3.LINE Cameraアプリで撮った写真を加工しよう

 

 

[1.撮影前に知っておきたい、スマホカメラの機能]

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もはや私たちの生活に欠かせないスマートフォンやタブレット。創業するなら
高画質な写真や動画が簡単に撮れる機能を、商品やサービスのPRに活用
したいですよね。野々村さんは「誰もが簡単に写真を撮ってウェブ上に公開で
きるからこそ、基礎的な知識やちょっとしたコツを抑えることで、他とは差別化
した写真が撮れます」と話します。まずは意外に見落としがちな「レンズの汚れ
をキレイにすること」。日常的に触っているものなので、レンズが指紋で曇って
いることも多いそう。撮影前には眼鏡拭きなどでキレイにしておくのがいいそ
うです。
次にスマートフォン(タブレット)にプリインストールされているカメラアプリを
起動し、以下の機能を確認しましょう。

 

①露出(写真を撮るときに取り込まれる光の量)の操作法をチェック
撮影時に光が明るすぎると、白いものや人の表情が写らない(白飛び)ことが
あります。写っていないものを後から加工で見せることはできないので、露出
は撮影時に調整しておくのが大切だそう。

 

②HDR(ハイダイナミックレンジ)機能をオンにしておく
HDRとは、露出を変えた複数枚の写真を自動で合成し、明るい部分と暗い部
分を最適な階調で表現した画像にする機能のこと。屋外など光の量を調整し
にくい場所では特に便利だそうです。

 

③ピントを合わせる、ズームする操作を確認て
PRしたい被写体にピント(焦点)を合わせるのが最低条件。画面をタップすれ
ばピントが合う機種が多いようです。
スマホのカメラには遠近感が強調されやすい「広角レンズ」が使われている
ので、画面いっぱいに被写体を撮るとゆがんで写ることがあります。商品写
真など正確な形やサイズ感を伝えたい場合は、少し離れてズームで撮るな
ど工夫が必要です。
またズームに頼ると手ブレが起きやすくなるので、小さいものを撮るときはフォ
ーカスモードを「マクロ」にするなど、用途に合わせて使い分けるのも大切だと
いいます。

 

④撮影する画像のデータサイズを最大に設定しておく
後から加工や拡大・トリミングしやすいように、大きいデータで保存する設定
がおすすめ。ただし撮ったままのデータをメールで送信したりSNSにアップ
するときは、容量オーバーになる場合もあるので注意して。

 

⑤ガイド線・グリッドの表示設定をオンにしておく
撮影時、画面に水平・垂直を表すマス目(グリッド)を表示します。建物や風
景、商品、写真などは被写体の水平・垂直を意識すると画面に安定感が生
まれます。

 

 

[2.写真撮影の基礎知識&実践!]
プロカメラマンが写真を撮るときは、「光の向き・写真の形・構図・アングル・
距離感」の5つの条件を意識し、撮りたいものに合わせてそれらを組み合わ
せているのだそうです。

 

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①光の向き
被写体に対して正面から当たる光を「順光」、真横から当たる光を「サイド光」、
真後ろから当たる光を「逆光」といいます。光の当たり方によって被写体の見
え方は大きく変わるので、見る人にどんなイメージを与えたいかを考えながら
光の向きを調整しましょう。また順光や斜め前から光が当たる「斜光」で撮る
ときは、自分やスマホの影が画面に写っていないか注意しましょう。

 

②写真の形
横長か、縦長か、InstagramなどのSNSで多いスクエア(真四角)かによっ
て、被写体が同じでも見る側の印象は変わります。プロカメラマンは撮影後に
セレクトできるよう、あらかじめ横長と縦長の写真を撮っておくことが多いそう
です。

 

③構図
画面中央に主張したい被写体を置く「日の丸配置」や、上下左右が対称にな
るように写す「二分割構図」など、見せたいイメージによって構図を変えます。
先ほど設定した「ガイド線、グリッド」があれば、構図が安定するポイントを見
つけやすくなります。

 

④アングル
アングルとは被写体に対するカメラの角度や位置のこと。商品撮影に多用さ
れる真横、料理など立体のイメージを掴みやすい斜め上(高め/斜め45度/
低め)、イメージ写真に多い真俯瞰(真上から見下ろす)などのパターンがあ
ります。

 

⑤距離感
被写体との距離が近いか遠いかで見る側の印象は変化します。被写体全体
のイメージを伝えやすい「離れて撮る(引く)」、料理写真によく使われる「テー
ブルに被写体を置いて、椅子などに座って撮る」、被写体の質感を強調できる
「近づいて撮る(寄る)」などのパターンがあります。
座学の後は、実際にスマホカメラで持参したものを撮影する演習が行われ
ました。
野々村さんは、ダンボール箱と白い模造紙、クリップで作る簡易撮影セットの
作り方も紹介。
商品などのイメージが伝わりやすい「背景が白い場所」を家にある材料で手
軽に作れるとあって、受講生からは感嘆の声が上がりました。
また、被写体の影になる部分に光を反射させて影を弱める「レフ板」の使い
方も学びながら、商品のイメージやPRしたい内容に沿って撮影を進めました。

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[3.LINE Cameraアプリで撮った写真を加工しよう]
スマホカメラのいいところは、撮った後の写真の加工が簡単なことです。明暗
や色のトーン、トリミング、カラー写真をモノクロにするなど、アプリで多彩な加
工を施すことができます。
野々村さんのお勧めアプリは「LINE Camera」。「フィルター」という色調の自
動調整パターンが豊富なので、自分がイメージする画像に簡単に加工できる
そう。
もちろんトリミング、露出や明るさ、コントラスト、彩度、シャープの調整など、
パソコンの画像編集ソフトのような調整もできてしまいます。
ただし、加工のやりすぎには注意が必要だと野々村さん。「見せたいイメージを
優先するあまり、商品の色が実物と違ってしまったりするのはNG。見る人に間違
った情報を与えてしまわないように気をつけて」と教えてくれました。
この後、受講生の皆さんが演習で撮影した写真をスライドに映しながら、それ
ぞれの商品をよりよく写すためのテクニックを細かく解説してくれた野々村さん。
雑貨や食品、アパレルなど商材別のアドバイスもあり、「すぐに実践できそう」と
好評の講義でした。

 

 

次回のSNS講座は
「集客&成果につながる! ビジネスブログ・Instagramレッスン」
です。お楽しみに!

(office晴文堂 山本里つ子)

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