テーマ:女性起業家訪問バスツアー
講師:
郷土食と野菜惣菜の店ふきっ子 小出陽子さん
和菓子いちむら 市村多喜子さん
日程:11月5日(土)【第三回】
創業スクールを終え、実際に一歩踏み出した方もいる中、
オプションコースのバスツアーを開催しました。
今まで学んできたことを、実際に創業している先輩に会い、
目で見て体感できる機会となったのではないかと思います。
お一人目は、長野市で
「郷土食と野菜惣菜の店ふきっ子」を経営していらっしゃる小出陽子さんです。
母の店を継ぐという形で起業し、
当時からのご縁を大切にしてきたという小出さんは、
とてもパワフルな方でした。
なによりも「料理がすき。」という気持ちが大きく、
社会人になってから再度勉強をし直して、
おやきに力を注いできたと言います。
一度は採算を見誤り失敗したこともあったそうですが、
「その時の新たな関係をまた大切にして、今がある」
とお話してくださった小出さんは、とても楽しそうでした。
旬の野菜をおいしく食べてもらいたい。
農家さんが作ってくださった野菜を無駄にしたくない。
その思いから、多い時は、
定番のおやきを11種類、シーズンごとのおやきを7種類程考え、
商品化してきたというお話には、参加者の皆さんから驚きの声が上がりました。
郷土食としての作り方の魅力や、
家庭の味を感じられるおやき教室は毎回好評で、
東京にあるアンテナショップ、銀座NAGANOでの教室は毎回満席といいます。
自宅で開催している教室も、まずはお料理をして、それをおやきにしていく、
というスタイルが人気。
今までに一回も同じレシピで教室をやったことがない
というそのアイディアの多さも、魅力の一つなのだと感じました。
休日であっても、お店のランチで提供しているお蕎麦の粉を挽いたり、
お惣菜に使う野菜を取りに行ったりと多忙な小出さんですが、
そのパワーの源とストレス発散法はお酒だと、教えてくださいました。
お2人目は、小布施町で「和菓子いちむら」を経営している市村さん。
育児や介護に追われる中、
好きなことをしたいと思って和菓子作りを始めたのは40代。
新聞で紹介されていた東京の先生に、直感的に魅力を感じ、すぐに問い合わせ。
2年間と少しの間通って、和菓子作りを勉強されたそうです。
そこからコツコツと知人に配って反応を見たり、
創業までには準備の期間も長かったという市村さん。
宅配で和菓子を届けてくれるというサービスが口コミで広まり、
当初40件だった宅配会員登録は、1年で60件まで増えていったそうです。
小布施という多くのお菓子屋さんが存在する中で、
新規参入というかたちで事業を始めた和菓子いちむらさん。
他のお菓子屋さんと比べるつもりはないけれど、かぶった商品は提供しない、
という心配りも忘れず、今でも京都や東京に勉強に通い続けていると言います。
「何かを始めるのに、年は関係ない。
これが一生の仕事になりそうだなと感じる時を見逃さずに突っ走れば、
何歳からでも好きなことはできる。」
自分の通ってきた道だからこその言葉は、
これから創業を考える皆さんに勇気と希望を与えてくれたのではないでしょうか。
12年という長い間お店を続け、
また展開させているお二人からでて来た共通のワードは、
「自分のキャパシティを越えないこと。」
そして「人とのつながりを大切にすること」でした。
好きを続けるからこそ、休む時間も確保したり、
自分の体のことを考えたりというケアを怠らない。
そして支えてくださった方を、一番に大切にする。
和菓子が、お料理が、人が大好きという、
お二人の暖かい気持ちとパワーに触れさせていただいたバスツアーでした。