先輩起業家の創業時の経験や経営者としての心構えなどを、トークライブ形式で紹介する
「起業家ネットワークセミナー」。
今年度の最終回である第3回のゲストはサポートオフィス アン 代表の竹内正美さん
です。
ゲスト:竹内正美さん (サポートオフィス アン 代表)
ファシリテーター:一般財団法人浅間リサーチエクステンションセンター(AREC) 専務理事 岡田基幸
開催日時:2018年12月5日(水)18:30~20:00
開催場所:まちなかキャンパスうえだ
■竹内正美さん (サポートオフィス アン 代表)の経歴と一言
長野県千曲市生まれ。半導体関連機器メーカーの人事部にて採用・教育・安全衛生・秘書
などを担当。その後、人材サービス企業に転職し営業等を経験。2009年、家族の介護を機
に退職。2010年、サポートオフィスアン設立。家族構成は夫・息子・娘。
就職・資格取得・試験・キャリアアップ等、「今の自分を変えたい」と思う方の目標達成
と自己成長を、コーチング・キャリアコンサルティング・カウンセリングのスキルを用い
てサポート。企業・学校・行政の相談室に出向き、対応しております。
イベント前半はゲストである竹内さんとファシリテーターの岡田による対談形式でトーク
を展開しました。
〔目次〕
1.起業のきっかけはご主人の交通事故
2.事業のターゲットに「信用される」ことを意識する
3.楽しい時も楽しくない時も笑顔を心がけて
1.起業のきっかけはご主人の交通事故
−−はじめに、竹内さんの事業紹介をお願いいたします。
社名は「サポートオフィス アン」と言います。個人事業なので屋号としてつけてい
ます。
「サポートオフィス アン」という社名は、「サポート=応援したい」「オフィス=
事業として信用度を高めたいために使用」「アン=1人に1つの個性を大切に(フラ
ンス語でune)」というそれぞれの思いのもとつけました。
主な業務は、企業や行政にて行っているメンタルヘルスカウンセリング、講師、ワン
ツーマンで行っているキャリアコンサルティング、講演や企業研修で行っているコー
チングです。コーチングとは目標に達するために、適切な問いかけをし、話を聴い
て背中を押すことを言います。
“人の話を聞くプロ”として元気に働きたい人を応援したい!という思いで活動して
います。
−−起業のきっかけについて教えてください。
起業のきっかけは主人の交通事故でした。交通事故により、介護が必要になってしまいま
した。その後、会社に復帰することは出来たのですが、会社までの送迎が必要だったので、
会社員として勤めることが難しく起業をしました。在職中に起業を考えたことはありませ
んでした。
コーチングが仕事になると思ったきっかけは家族、特に主人に使ったら劇的に効果があっ
たことからです。主人は事故により当初寝たきりだったのですが、リハビリやケアにコー
チングを用いることで回復に良い兆しが見られ、6ヶ月で職場復帰を果たすことができま
した。
−−「サポートオフィス アン」を設立して今年(2018年)で8年とのこと。起業時から現
在までの間、仕事内容などに変化はありましたか?
起業時、「コーチング」は全く知名度がありませんでした。そのため、マナー研修などの
依頼が多かったです。当時は、いつか県内でコーチングセミナーができたらと思いながら
活動していました。
現在は、コーチングの知名度も高くなり、コーチングなどの面談を1日に平均3件ほどいた
だいています。県内ではコーチングというと育児向けが多く、ほかにもスポーツや恋愛、
ダイエットなど様々なコーチングの分野があるのですが、私は「ビジネスコーチング」に
特化し、企業をターゲットとして展開しています。
2.事業のターゲットに「信用される」ことを意識する
−−起業当時、コーチングは知名度が低かったとのことですが、どのように集客をされてき
ましたか?
自分のビジネスを知ってもらうためにしたことは、まず退職時のご挨拶時に自分の
連絡先、どのような資格を所有しているのか、個人で活動するということを記した
名刺を配りました。同様に、その旨を記載した年賀状も翌年の正月に送りました。
これらから多くの仕事に繋がりました。
依頼のなかには報酬の多くない仕事もあります。そのような仕事も断らないようにしてい
ます。参加した方がまた別の依頼をしてくださるということもあるからです。
このようなご縁や口コミで依頼が徐々に増えたため、営業活動というものはしていません。
また、企業が事業のターゲットのため、起業時から「信用される」ことは意識してきてい
ます。個人事業になりますが、社名に「オフィス」という単語を用いたのもこの点からで
す。どのような会社なのか、きちんと理解していただけるような、ホームページや名刺を
用意しています。
−−起業後の不安はどのように解消しましたか?
起業直後は、お金の面に不安を感じていました。
そのため、起業した当初は「やりたいこと」であるコーチングだけではなく、「自分のス
キルが活かせる安定的な仕事」であるマナー研修も事業として行っていました。当時は保
険としての仕事も行うことで金銭的な不安を解消していました。現在はマナー研修を行う
ことはほとんどありません。
3.楽しい時も楽しくない時も笑顔を心がけて
−−とてもご活躍中の竹内さん。時間をどのように上手に活用されていますか?
私は勉強をするために本を読むということは殆どしません。その代わりに、車での
移動中にオーディオブックや講演会のCDを聞いて、耳で学ぶようにしています。
また、事務処理は空き時間にカフェなどで行うことが多いです。そのため、パソコ
ンは常に持ち歩いています。
会計は、会計ソフトを活用しています。私が使用しているのは「ソリマチ確定申告」
簡単な操作で自分の負担も少なくできます。
私生活においては、家事は家電をフル活用しています。
−−これから起業する人にアドバイスをいただけますか?
起業をする時に自分がやって良かったことは、 自分をサポートしてくれる人を100人
書き出すという作業です。
仕事においてサポートしてくれる人だけではなく、育児や医療なども含めて100人。紙に
書き出すことで、自身がこんなに多くの人たちと関わり、知り合いなんだということを実
感できて不安が消えました。おすすめですので、皆さんもぜひやってみてください。
トーク後、竹内さんに座右の銘を書いていただきました。
竹内さんの座右の銘は「笑う門には福来たる!!」。
トーク中も笑顔が多く見られた竹内さん。
「楽しい時も楽しくない時も笑顔を心掛けています。嘘でも笑うと自分はハッピーなんだ
と脳が錯覚するんです。ポジティブな状態の方が自身のパフォーマンスも上がります。」
竹内さんの事業に対する姿勢や人生観など、これから創業をしたい人たち、すでに創業し
ている人たちにとって参考になること、励みになることを多いに語ってくださいました。
参加者の方たちからは「竹内さんの人柄にとても魅力を感じた。私も頑張ってみようと思
えた。」「貴重なお話が沢山聞けてとても為になった。」と大変好評な感想を頂きました。
ご参加くださいました皆様、ゲストの竹内さん、ありがとうございました。