上田市創業支援プラットフォーム

女性のための創業スクール ステップアップ講座1

レポート2017.12.20

テーマ:これで集客アップ! パワーポイントでチラシを作ろう!

講師:株式会社間島宣伝事務所 代表取締役 間島賢一

日程:12月2日

 

女性のための創業スクール・ステップアップ講座は、これまで学んだ基礎知識に加えて、

実践的なノウハウを身につけるのが目的です。第1回は広告などのデザインプランナーと

して長年活躍されている間島 賢一さんに、パソコンソフト「PowerPoint」を使ったチラシ

の作成方法を教えていただきました。

 

 

[講義の概要]
1.チラシという手段の特徴
2.チラシ作成に必要な準備
3.チラシデザインのワンポイント

 

 

arec_1202_48 のコピー[1.チラシという手段の特徴]
自社の商品・サービスをPRする広告。積極的に活用したいけれど、限られた事業資金の中

で運営する場合、多額のお金をかけてプロに依頼する広告宣伝はハードルが高いもの。

自分でチラシを作ることができれば、コストを抑えたPRが可能になります。PRには営業

活動や口コミ、SNSなどさまざまな手段があり、チラシもその手段のひとつです。
講師の間島さんによると、チラシには大きく分けて3つの配布方法があるそう。

 

①ハンドアウトチラシ
飲食店や人が集まる場所においてあるチラシ。配布の手間やコストは低いが、デザインに

よほど工夫しないと、持っていかれる可能性は高くない。
②新聞折込チラシ
新聞に挟み込まれるチラシ。狙ったタイミングで広範囲に配布でき、折込料は1枚3円(B4

サイズまで)とコストもほどほど。ただし配布枚数が多くなるので、印刷などの経費は相応

に必要になる。
③ポスティングチラシ
配布したいエリアやターゲット層(一戸建てか、アパートかなど)を限定して、各家の

ポストに直接配布できる。そのぶん、コストは1枚30~40円程度必要。また配布に時間が

かかるので、イベントの告知など賞味期限が短いPRには不向き。

 

チラシの配布方法は「なにを・誰に」PRしたいのかという目的と、かけられる経費を考え

て決めるのが大切だと間島さんは話します。

 

 

[2.チラシを作る前の準備]
女性のための創業スクール・講義5でも学びましたが、商品・サービスをPRする表現には、

「セリングポイント(売り手・作り手の表現)」と「ベネフィティングポイント(買い手・

利用者の表現)」というふたつのパターンがあります。買い手の気持ちを想像する(=顧客

視点)ことは、売り手の“伝えたいこと”を買い手に“伝わる”情報として発信するために欠か

せません。

チラシを作成する前に必要なのが、まず自分の商品・サービスを「ベネフィティングポイ

ント」で表現した「キャッチコピー」と「リード文」。講義では子ども向け英会話教室の

PRを想定した演習を行いました。arec_1202_19 のコピー
「子どもに英会話を習わせたいと思う親が、どんなことを望んでいるのか考えてみましょ

う。それがキャッチコピーの種になります。次に、習わせたい親の中でさらにターゲットを

絞り込みます。例えば“将来グローバルに活躍してほしい”とか、“低価格で英語に触れさせ

たい”とか。こうした対象を限定する言葉が、リード文の1行目。ここまでで読む人が

“あ、これは私のことだ!”と共感すれば、このチラシは全部読んでもらえる可能性が高く

なります」

続いて、チラシに使う「イメージ写真」を用意します。自分で撮影するのもいいですが、

手軽にキレイな写真を用意できる、著作権フリーの素材を活用するのがおすすめ。
下の二つのWEBサイトが便利だといいます。

 

画像・動画の素材サイト PIXTA(ピクスタ)

Adobe社が運営する fotolia(フォトリア)

どちらも「日本人/子ども/勉強」などのキーワードで検索できるため、イメージに沿っ

た画像が見つけやすいそう。画像を見ることで、アイディアが浮かびやすくなるメリットも

あるといいます。「ただし、あくまでも“顧客目線”に沿って、ターゲットの心情を意識した

画像を選ぶことを忘れないでください」と間島さん。
また、今は著作権などに対する意識が高まっているので、ネット上にある画像やキャッチ

コピーの無断転載は、プロ・アマチュア問わず絶対にNGです。

 

 

[3.チラシデザインのワンポイント]
用意できたキャッチコピー・リード文・イメージ写真の3つを使って、実際にパソコン上で

チラシを作る演習に挑戦した受講生。操作に不慣れな人もマンツーマンでサポートを受け

ながら、作成が進みました。

PowerPointはWordやExcelに比べるとレイアウトの自由度が高いソフトですが、デザイン

にはいくつかコツがあると間島さん。キーワードをいくつか挙げて紹介してくれました。

 

①Z型の法則
人間は紙に書かれたものを読む時、上から下へ「Z」の字を描くように視点を動かしてい

きます。情報を配置する時は、説明したいものを順番に、Zの線上に配置していくと、読み

手にストレスなく情報が伝わります。
長方形の紙を縦に使うか、横に使うかも「Z」の視線の流れがカギ。たくさんの情報を並列

して並べたい(例えば1週間分の特売情報が入ったスーパーのチラシなど)は、横長に使って

いる例が多いそうです。

②アイソレーションゾーンarec_1202_45 のコピー 2

チラシという限られたスペースの中で、PRしたいことをあれもこれも詰め込んだり、目立

たせようと装飾を多用するのは逆効果です。キャッチコピーやリード文の周囲に、文字の

大きさの1.5倍程度の余白(アイソレーションゾーン)を設けることで、核となるメッセージ

が引き立って見えます。
また、ひとつの文章は字間や行間を詰めることで、ひとつの意味を持ったかたまりとして認識

しやすくなります。

③色や書体を複数使わない
間島さんによると、人間はパッと見て一度に記憶できる情報は7つが限度なのだそう(心理

学用語でマジカルナンバーといいます)。チラシでカラフルな色や複数の個性的な書体を

使っても、それは読み手にとってノイズにしかならないと間島さん。「派手にしたい気持ち

をぐっと我慢して、引き算のデザインを心がけると格好よくなります」とのこと。
もし色を使うなら、自分の事業のイメージにあった色(コーポレートカラー)を先に決め

ておくといいそうです。

④チラシは両面を使う
ここまでの演習では、チラシでPRしたい情報の中でも厳選した「核となる伝えたいメッセー

ジ」だけを扱いましたが、実際のチラシではイベントの概要や、商品・サービスのメニュー

や料金なども記載する必要があります。そうした要素は裏面を活用して、と間島さん。表面

が手に取ってもらえるデザインであれば、裏まで読んでもらいやすいのだそう。
また、実際のユーザーの感想や顔写真をチラシに載せることは、企業や商品への信頼感を

演出するのに効果的です。(社会心理学でいう「社会的証明の原理」)

 

伝えたいことを「伝わるように作る」、広告デザインのプロ直伝のノウハウが詰まった

講義。受講生の皆さんも頭をフル回転させて課題に取り組んでいました。

次回のステップアップ講座は、「4大SNS・ブログを活用して集客につなげよう!」です。

お楽しみに!

(office晴文堂 山本里つ子)

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