Introduction2017起業家紹介

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CAFÉ LITTLE MATILDA http://r.goope.jp/matilda水井 七奈子 さん

CAFÉ LITTLE MATILDA

東京都生まれ。横浜国立大学大学院を卒業後、一級建築士として働く。また日本女子大学の助手として、日本の古い遊郭建築の研究に携わる。上田市へ移住し、一男一女のママに。ご主人の実家が経営する食品加工会社「寿高原食品株式会社」の商品を扱うお店として、20164月に上田市の海野町商店街で「CAFÉ LITTLE MATILDA」を開店。

---建築士からカフェの経営に参入した理由は?

夫と義理の父・姉が、千曲市で果物をジュースやジャムに加工する会社を経営しています。私は昔からジャムが苦手だったのですが、夫の会社の製品はすごくおいしくて、ぺろっと食べられたんですよね。この味を日本中の人に知ってもらいたい、いつか東京で会社の直営店を開きたいと思ったのが起業のきっかけです。建築業界で働いてきましたが、子育てを機にジュースやジャムの商品ラベルをデザインする仕事も始めていたので、夫の会社に事業計画を提案して、まずは地元でファーストステップとなるお店を開くことを了承してもらいました。スイーツやジュースのお店ではなく、バータイムもあるカフェにしたのは、私自身がおいしいものが大好きな食いしん坊だからです(笑)。それに、子どもが小学2年生と3歳なので、子育てと働くことを地域の中で両立させたかったことも理由です。

---カフェのコンセプトと開店までの経緯は?

長く店舗設計に携わってきたこともあって、お店を開くなら「空間」にこだわる必要があると思っていました。美味しいものが食べられるだけじゃなく、非日常を感じられる場所にしたかった。お店の内装は「旅」をテーマにしています。店名にある「マチルダ」とは、ジプシーが旅立つときに持っていく、たった一つの荷物のこと。このお店に立ち寄る人たちが、日常で背負った大きな荷物をふっと下ろして、心を軽くできるような空間をイメージしてデザインしています。

カフェを開くことを決めてからは、毎日不安の連続でした。道のない、誰もいない荒野を歩いているよう(笑)。けれど周囲の人に自分のやりたいことを話して「いいね」と言ってもらえたり、アドバイスを受けたりするうちに、自分の気持ちもやれるかな?じゃなくて「絶対やるんだ!」に変わっていきました。とりわけ義理の姉は、経理や店舗の運営面で今もすごく頼りにしている相談相手です。

それに空き店舗だったこの場所を飲食店に改装することを快くOKしてくれた家主さんや、私が利用していたコワーキングスペース「HanaLab.」の井上さんなど様々な人との出会い、商工会議所の補助金を受けられたこと、建築士の経験を生かして自分で店舗の改装工事のコストコントロールができたこともあって、金融機関からの融資などはなくスタートが切れたことは良かったと思います。

---お店の運営と、家事や育児の両立は大変なことばかりでは?

お店と、住まいと、子どもたちの学校や保育園を、毎日自転車で駆け回っています(笑)。営業は日によってモーニングやバータイムもあるので、私が家にいる間はスタッフにお願いして、家や子どものことがひと段落したら、またお店に戻って、というスタイルですね。ハードですけれど、自分のやりたかったことを実現して、来てくれたお客さんにも「上田にいるんじゃないみたい」「素敵な空間」と喜んでもらえると、すごくパワーが湧いてきます。